秘密の共有が効果的

秘密の共有が効果的

東北の田舎出身、地元から少し離れた隣県で仕事をしているアラサーで、身長は160センチ弱で体型は普通。真っ黒なストレートロングヘアと、ちょっときつめの顔つきのせいか『気が強そう』と思われ、なかなか彼氏ができませんでした。

同期が次々と結婚していく中、取り残され「自分は仕事一筋!男より仕事!!」と強がってはいるものの、本当は誰かに甘えたい寂しがり屋。けどいざできた彼氏に甘えると『そんなキャラじゃないと思ってた』と言われてしまい、どんどんと強がりばかりを覚え可愛らしさが皆無になるという悪循環に追い込まれていました。

ある日、様々な企業が集まり合同で仕事をする機会があり、広い会場でまさかの再会でした。

地元を離れて仕事をしていたので同郷の知り合いに会うなどと夢にも思ってなく、何も気づかないまま仕事をしていると、ふと現場で一人になった瞬間に「俺のこと覚えてる?」と他社の男性に社員ネームを見せられました。名前を確認すると高校時代の同級生。確かに髪型は違えど覚えのある顔、当時より逞しくなった印象で、何より十数年ぶりの再会。とてもビックリしました。

高校三年間同じクラスだったものの、これといって仲が良かったわけでもなかった彼。そんな彼から「どこかで見た顔だと思って。さっきネームをチラ見したらビンゴだったから」と言われ、さらにビックリしました。

彼は、クラスの中に目立って仲良くしている友達もおらず一日中教室の窓際の席で寝ていて、けれど放課後になると元気になりバスケットボールを追いかけているようなマイペースな人でした。

私が担任の先生に頼まれた少し面倒な力作業を面倒くさそうに助けてくれたり、日直で多少関わることはありましたが、それ以外学校生活では特に会話もなく部活も別々。通学電車も真逆で全く会話に繋がる接点がなく、彼が就職したのか進学したのかさえわからないまま卒業での別れでした。

彼の名前を見た瞬間に懐かしい学生時代の記憶が一気に蘇りテンションが上がり、当時では考えられない程に会話が進み、気が付けばお互い名刺にプライベートの携帯番号を記して交換。その日の夜から「同窓会したいね」などのたわいないメールのやりとりがはじまりました。そして、年齢的に出会いも減っていたため彼に「誰か紹介して~」とお願いすると、彼も同僚や先輩達から「誰か紹介しろ」とせっつかれているという事で「それじゃあ」と再会から数週間後にはお互い幹事となり合コンを開催しました。

男女10名ほどの合コン、私が連れてきたメンバーは皆若くて可愛らしい子達ばかり。自分も出会いを求めていたものの、どう見ても私に興味を持ってくるような男性メンバーはいなさそうな空気。『今日は幹事だし盛り上げ役だな』と場の盛り上げに徹し場が馴染んできた頃、同じく先輩達をたてるために場を盛り上げていた彼が「もう皆勝手にやるだろうからお前もゆっくり飲もうぜ?」と隣に座ってきました。

「誰か気になる人いた?」「人にばっかり譲ってないでちゃんと合コン楽しみなよ」と気を使ってくれたものの、しばらく地元に帰っていなかった事もあり、なつかしさから私は合コンそっちのけでただひたすら彼に思い出話しばかりをしていました。

クラスメイトのこと、先生のこと、そして彼のこと。一方的にしゃべる私に「そんなことよく覚えてんな~」「俺ってそんなに寝てた?」と笑いながら相槌を打っていましたが、ふと周りに見えないよう堀ごたつの下で手を繋いできました。思ってもいなかった予想外の行動にびっくりしたものの全く嫌な気持ちにならず、むしろ少し嬉しかった私はその手をそのまま繋いでいました。

そして合コンがお開きになりそれぞれが帰路についた後、私達はお互い帰るふりをして隠れて合流し、そのままホテルへ行きました。

連絡先を交換してから一度もそれらしい色恋の会話などしていなかった相手とまさか…という感じでしたが、久しぶりに異性と手を繋いだ事と、同郷・同級生という思い出もプラスされたのか、手をつながれただけで私は簡単にテイクアウトされてしまいました。『周りにバレないよう隠れて手を繋いでいたドキドキ感』と『誰も知らない二人が知ってる思い出話』という特別感から背中を押された気がします。そして、お互いの年齢的にももしかしたらこの人とこのまま彼氏彼女の関係に発展するんじゃないかという期待も大いにありました。

が、しかし彼に実は奥さんがいたことをベットの中で聞かされるというオチが付き関係は一度で終わりました。

よく「ボディータッチが有効だ」と聞きますが、それ以上に合コンや飲み会の最中に何か特別な秘密を共有するのもいいかもしれません。

そして何より「気が強そうに見える女子はテイクアウトしやすい」です。一見気が強そうな女子ほどチョロいものはいません。優しくされること、女の子扱いされることに飢えています。普段優しくされなれていない分、ほんのちょっとの優しさが何十倍に感じ勘違いします。

体が触れ合う至近距離で隣同士座っても、離れる素振りがなければ間違いないです。