都内在住の21才グラフィックデザイナーのお持ち帰りの仕方

私は、都内デザイン事務所に勤める駆け出しのです。見た目は、クールで年齢のわりに大人っぽく、遊んでいると思われがちですが、実は、男性とつきあったことが高校生の時に一度だけ。自分でいうのも何ですが、案外、奥手なのです。茶髪にしたこともありません。まあ、これは単に似合わないということもありますが…。

そんな私には、職場に4才年上の好きな先輩デザイナーのOさんがいました。Oさんは、仕事のスキルが高く、後輩だけでなく、年長からも頼りにされている存在。仕事上の話をするのが精一杯で、パソコンに向かって仕事に没頭している彼の姿を見ては、いつも憧れていました。

Oさんは、普段、飄々としていましたが、本人は気づいているのかいないのか、女子社員からとても人気がありました。昼、外にランチに食べに出た時などは、女子社員はOさんの話で持ち切りです。「このままでは、誰かに取られてしまう」と、内心、私はあせっていました。

でも、恥ずかしくて、告白することはおろか、気軽に話しかけることさえもできません。片思いしていることに、だんだん苦しくなってきた私は、職場のアネゴ肌的な先輩ライターのKさんに、苦しい胸の内を打ち明けたのです。

そしたら、渡りに船とは、このことをいうのでしょうか。Kさんが、週末に、私とOさんを飲みに誘ってくれたのです。「やったー!Oさんとこれを機に、もっとお近づきになろう」今まで、これほど週末が待ち遠し かったことはありません。仕事もいつにもまして、はりきりました。

そして、やってきた金曜日。仕事を早々に切り上げて、私たちは、職場に近い居酒屋へと繰り出しました。仕事の悩みや会社の人間関係のことなど、会話は思いのほか盛り上がり、話は尽きません。「憧れのOさんと飲めるなんて、夢みたい!」私は浮かれていました。その場のノリも手伝って、「またみんなを誘って飲み会をしましょう」と、ごく自然にLINEも交換することができました。

そんな時、 Kさんがいよいよ本題を切り出してくれたのです。「Oくん、つきあってる彼女いるの?」っと……答えは、イエス。そうです、心のどこかでは、わかってはいたのです。これだけ人気があってかっこいいOさんだもの、彼女のいない方がおかしいでしょう。でも、その事実を凌駕してしまうほど、私はOさんのことが 好きだったのです。

一気に奈落の底に突き落とされたような気分になりました。Kさんも私の曇った顔を、心配そうにうかがっています。それから楽しかった酒が、やけ酒へと変わりました。Kさんが私に気を利かせてどんどん注文してくれます。「ピッチが早いねー、大丈夫?」Oさんも心配してくれます。

しかし、実は、私は、お酒に強いのです。たくさん飲みましたが、酔ってはいませんでした。だんだんと終電も近づいてきていることにも気づいていました。「どうにでもなれ!」そんな気分でした。

しかし、せっかくOさんがそばにいるのに、私から「帰る」と切り出すはずもありません。「このままずっとこうしていたいのに」と泣きそうな気分になりました。恋する乙女は、好きな人とはずっと一緒にいたいものなのです 。

しかし、残念ながら、無情にも時は過ぎ、「そろそろ帰ろうか」とKさんがいい、お開きとなりました。

店を出た後、それぞれ帰る方向へと分かれました。Oさんの後ろ姿を見送っていた私は、このままOさんと縮まったかのように思われた距離がまた離れてしまうような気がして、とてつもない寂しさに襲われました。飲んだ勢いもあったからでしょう。気がついたら、OさんのLINEに電話していました。そして、電話に出たOさんに、「今からLINEするんで読んでください」と伝えました。口では、いいずらかったのです。

「終電に間に合わなかったので、今晩、泊めてもらえませんか」自宅通いだった私は、親が厳しく、酔ったまま帰れないこともあり、その事も告げました。

でも、それは建前です。本音をいえば、一夜だけでもいいから、Oさんを自分のモノにしたかったのです。願わくば、Oさんの方からもう一軒誘ってみて欲しかった。そしてその後は成り行き任せで行くところまで行けたら……。

「汚くしてますけど、それでもよかったら」Oさんは、私の大胆な申し出に動じることなくあっさり返してきました。今となっても、この時の彼の心境はわかりません。性の異なる男女なんてそんなものですよね。

Oさんには、その晩、思い切って告白しました。そして、Oさんと結ばれることができました。私のお酒の力を借りたやけっぱち作戦が功を成したのか、その後、Oさんと私は、つきあうことになりました。カラダから始まる関係もあると思います。後から聞いた話ですが、当時、Oさんは、彼女に別れ話を何度もしていた最中だったということです。そんな時、猛アタックした私。Oさんにとって、まさに私が渡りに船だったのしょう。

私に限らず、お酒が飲める女の子と一緒に飲んでいて、セーブせずどんどん飲んだり、終電を気にしないのは、女の子にとって、この後、一緒にいたいのサインです。お酒があまり飲めない女の子は、初めから用心して多く飲みませんし、そもそもソフトドリンクでしょうからね。